願望実現の落とし穴(3/5) ~α波の危険~
願望実現の落とし穴(3/5) ~α波の危険~

願望実現の落とし穴(3/5) ~α波の危険~

 このいいことずくめのα波の一体どこに危険があるのだろうか。α波の危険な側面についてスポットを当てたい。α波だけではない、実はα波への導入方法である瞑想も危ないのだ。解せないのはわかる。アルファ波(以下α波)の危険性について書かれた本はない。せいぜい、車の運転中の注意程度だ。また、瞑想についての危険性について書かれた本もない。だから、誰も知らない。その知らないことを今から話す。
 脳波をα波にすることは、訓練すると簡単にできるようになる。リラックス脳という意味では、アニキもα波はすごいと思う。メリットだらけだ。非の打ち所がない。どの本にもそう書かれているのだが、果たしてそうなのか!「この世のすべての事には両面性がある」というのが、アニキ論だ。「物事はまず両面を必ず押さえる」という哲学から検証しなければ気が済まない。だからこのα波にも「メリットとデメリット」が必ずある。この観点から考えれば、脳がアルファ波になることはすばらしいことのように言われるが、その反対面も同時に考慮する必要があるのだ。
 まず、そのα波自体には害はない。脳がα波になると、いいホルモンが出て、身体にも良い。アニキも「脳の謎」、脳が喜んでいる状態と書いた。ここには何の問題もない。α波が出ると、ついでに悪いホルモンが出てるんじゃないかと、想像したかもしれないが、そうじゃない。α波には何の罪もない。じゃあ、α波が出ている時の危険性とは何なのか?α波自体に問題があるのではなく、α波が出ているその状態に問題があるのだ。
 α波が出ているという状態は、すべてにおいて「無防備」である。特に脳が無防備状態なのである。動物は常に天敵が存在するから、無防備状態を極力少なくする必要がある。人間にはそういう天敵はいないが、日常のストレスという天敵が存在している。天敵の話は置いといて、要は脳が無防備であることは、生き物にとって致命的であるということが言いたいのだ。
 実はα波が出ている状態では、脳は直接ストレスに晒されるのだ。一般的には、α波状態ではよいホルモンが出ているから、ストレスが軽減されると考えられている。これは正しいのだが、それにはひとつ条件がある。α波状態では、心地よい心の状態を保たなければならないということだ。α波状態の時に、心配事やいやなことなどを思い出した瞬間に、そのストレスが容赦なく無防備な脳を攻撃するのだ。どういうことかと言うと、願望ではなくこの心配事が、しっかりと潜在意識に刻み込まれてしまうということだ。潜在意識にすり込むという行為は、意図的に行う行動だが、α波で無防備の脳の状態においては、潜在意識にチョークではなく、太い爪で刻み込まれるといった感じだ。言い換えると、潜在意識という黒板の上に、彫刻刀で刻み込まれるような感じだ。そう、防御するものが何もない状態では、ストレスは容赦なく身体や心に傷をつける。これが、α波状態での危険性である。
 本来はこのことを理解した上で、α波状態に導入していかなければならないのだが、誰もその危険性を指摘しないから、願望実現しないどころか不幸になる人が出てくるのだ。しかし、そうなっても公にはならない。なぜなら、加害者も被害者も自分だから、すべて自己責任であり、しかもなぜ不幸になったのか本人も気付いてない。ここに願望実現の大きな落とし穴があるのだ。