脳シリーズが長くて申し訳ない。しかし、これはアニキ哲学の中枢であるから、ここを理解しないと、その後のアニキ論が展開できない。我慢してもう少し付き合ってな。脳の謎シリーズが終わったら、またくだらない話もしてあげよう。では、「脳の謎(4)」の続きに戻る。
前回までの話では、脳は別の生き物であり、昼間は肉体の意思に従い、夜は勝手に行動していることを伝えた。では、肉体がある限り脳もずっと一緒に生きる。友達、恋人、夫婦以上に長い付き合いになり、しかも別れることができない。ならば、うまくやってゆく必要がある。これからは「脳と付き合う」というテーマで考えてゆきたい。
人間関係と同様に、脳とも「ただの友達」「親友」「上下関係」「敵対関係」「好きでも嫌いでもない関係」などいろいろあると考える。どの関係を選んで脳と付き合うかが人生のテーマでもある。脳との関係において、これらの関係が現実としてどう表に現れてくるのかを一つ一つ見てゆこう。
アニキが見ると、ほとんどの人の脳との関係は「ただの友達」か「好きでも嫌いでもない関係」だ。これが大半ではないかと思う。どういうことかというと、この関係は普段から、脳のことを全く意識してないということ。脳を自分の肉体の一部と考えているから、脳との関係をうまくしようなんて考えない。だから、脳には気を遣わないのが特徴だ。前にも書いたように、脳は昼間には肉体の意思のままに行動しているから、ストレスをかなり溜め込む状態で夜寝ることになる。脳は、夢でストレスを発散する。毎日がこの繰り返しで、それぞれお互いの仕事をただ淡々とこなして人生が終わる。そして、人は死んだあと、創造主に「なんで、脳を活用しないのだ」と叱られる。「すみません、そのことを知りませんでした。」と謝り、創造主から「ばかもの!もう1回やり直し」と言われる。
次に脳との「敵対関係」だが、これは脳にストレスを溜めすぎて、ストレスを発散しきれずに限界状態までいくことを言う。脳はこの状態がものすごく嫌いだから、肉体に「やめてくれ」ということで、悪いホルモンを出して肉体に知らせる。これがあたかも敵対しているように見えるから、アニキはこう呼ぶ。そう、脳との敵対関係とは、脳が悪いホルモンが出して肉体を攻撃して、肉体を病気にさせたり、落ち込んだりさせることを言う。これは、一見脳が肉体を攻撃しているように見えるのだが、実際は脳が肉体に緊急事態を伝えているだけなのだ。各ホルモンのしくみについては、科学的に解明されているから、専門家の本でも読んでくれ。で、悪いホルモンは肉体をむしばむから、この状態が長く続くと、肉体が破壊されたり、精神が破壊される。肉体は早くこの状態に気づき、生活や考え方を改めなければならない。そう、脳が肉体を病気(精神病も含む)にして、SOSを伝えていると考えられる。
ここで、考えておかねばならないことがある。そう、「死」だ。「脳との敵対関係」の結末である。その死という概念についても触れておこう。極端な話だが、脳はその肉体という乗り物が壊れかかると死を選ぶ。脳は死を遂行する権限を持ってこの世にやってきてるのだ。その乗り物の精神が崩壊をきたすなら、脳は「自殺を選ぶ」。肉体の崩壊又は老朽化であれば、脳は「病気を悪化させる」という形で死に至らしめるのだ。脳はこの権限を持っていて、脳が自らそれを遂行できる。
何が言いたいかというと、脳が肉体の死を決めているのだ。逆に、その肉体や精神に復活の見込みがあれば生かすのだ。運命はすべて脳が司っているということを知るべきだ。自然治癒力とは脳が管理しているのだ。では、そんな重大なことを勝手に脳だけで判断しているのか。脳が単独で決定しているかどうかはアニキにもわからない。ただ、最終判断と実行に移しているのは間違いなく脳だといえる。脳は自爆スイッチを持っている。
話はそれるが、みんなは心が折れるという言葉を聞いたことはないか。いわゆる精神的なダメージを受けることだな。心が折れると、脳は、その肉体の精神の崩壊を心配する。脳の使命が「魂の手助け」であるなら、何とかしようと考えるのだ。だから、肉体の回復を応援するため、夢の中で手助けしたり、「ひらめき」などで肉体に回復のヒントを与える。落ち込んでいるときに、「何気なく手に取った本のページに、その答えがあった」「突然、懐かしい人からの電話で、はっと気がついた」などは、まさに脳が肉体を助けようとして起こしている現象だ。普段生活していて、そんな都合がいいことはなかなか起こらない。すべては脳の導きだ。