最近、男が絶滅すると言われている。聞いたことあるだろう。環境ホルモンによるメス化、Y染色体の遺伝子の減少、ゲイの数の年々の増加、草食君と呼ばれる男の出現。これらは、男という種を根絶やしにする前兆のように思われる。アニキも、男は近いうちに絶滅するんじゃないかと思う。というのも、よく考えてみると、もうこの世に男は必要なくなっているのだ。
何億年も前の人類は、人間が生き残るためには強さが必要だった。そのために、人間の子孫を残す「女性という種」と、その産物である子どもというものを守って行かねばならならない「男という種」が必要だった。食べて生き残るということがすべての課題であった時代の頃、男は女性の盾となる存在としてどうしても必要であったのだ。狩りをして食べ物を得る。闘って、女性を猛獣やなんかから守る。そのため、ひるまず猛獣に立ち向かう攻撃的な性格も要る。天災から女性や子どもを守る腕力も要る。その腕力で住かを作ったり、道具を作ったりする必要もあった。とっさの知恵や機転も必要だった。そう、男という種には、攻撃的な性格、闘う能力、腕力、機転が必要であった。そして、人類を繁殖させねばならず、そのためには優秀な子孫を残す必要があった。古来より、優秀な男のみが子孫を残すことが許された時代が続いていく。だから、何世紀も英雄がもてはやされたのだ。そして、強い男が必要であるという考え方は、形を変えて20世紀まで続いてきた。
では、男に頼らなければならない能力とは何か。肉体的な体の大きさや筋力、そして攻撃的な性格、闘争心などだ。しかし、現在では、マンモンスやライオンと闘う必要はない。動物を食べたいのであれば、家畜を食べればよい。命がけで狩りをする必要はない。だから体は大きくなくてもよい。また、素手で家を建てたり、ダムを造ったりする人間も現代には要らない。だから、大きな筋力などももはや必要なし。そして、攻撃的な性格だが、本来なら猛獣に立ち向かうための性格だ。とっくに猛獣と闘う必要がなくなっているのに、その攻撃的な性格のおかげで、20世紀まで戦争が続いた。それは、男の攻撃的な性格が原因だ。男はカッとなると、すぐにけんかや決闘だと始まる。力で相手をねじ伏せようとする。すぐ暴力に訴える。実は、こんな攻撃的性格なんてものは、近代から要らないのだ。だから、20世紀まで戦争が絶えなかったのだ。しかし、この21世紀では、もう戦争などばからしい事は起こらない。戦争が起こるのは、別の意味合いが強いだけで、再び愚かな戦争を繰り返すなんて、本来は愚の骨頂だ。人間は成長する生き物だ。過去の何度の戦争から学んでいるはずなのだ。だから、これからは攻撃的な性格なんかは無用の長物になる。これ以上戦争を起こすような愚行を繰り返すなら、本当に男は絶滅させられてしまうことになる。
そして、男が勝ると言われ続けてきた空間認識能力や運動能力なんかも、最近では女性にもその能力が備わっており、平等だということがわかってきた。機転や知恵なども、経験から学ぶものが多く、男と同じ勉強や社会経験があれば、結果は同じに出る。能力に何の差もないのだ。現に、アメリカやヨーロッパなどの企業では、女性の管理職や経営者も多い。女性が社会で劣るなんて幻想は、過去に女性が家にこもっていた時代の錯誤である。