男がやみくもにスイッチが入らないようになっているわけ、それは平常時に暴れられたら困るからだ。頑丈な体と攻撃的性格で暴れられると、周りもただでは済まない。だから、平時はのび太のようにぐうたらでもよい。女の派生種としてこの世に誕生した男は、生活のすべてにおいて必要な存在として作られたわけではないからだ。どうしても必要な時、そのときのためにいる。その「どうしても必要な時」とは、女や家族の危機だ。そもそも家族のボディーガートがその存在意義である男には、平時は休むようにできている。そこで力を温存する。頑丈な肉体と攻撃性の高いその性格を、平時に使われたんじゃ、ケンカばっかりで争いが絶えないからだ。ぐうたらな性質は必然であるわけだ。しかも、危機が及んだ時、高い瞬発力を発揮させるため、カラダと脳を休ませておくことが必要になっている。普段休ませておくことにより、危機が起こったときには高い能力を発揮するようになる。カラダだけではない、脳もだ。脳も休ませておかなければ、機転の利いた行動を取ることができない。
男の力のひとつは、とっさの時の機転であり、脳の瞬発力だ。脳を休ませておかないと、いざというときに瞬発力が発揮できない。だから、普段はお笑い番組などを見て楽しそうにしている。脳を休ませることは寝ることではない。「機嫌がよい」という心の状態こそが、脳を休ませることなのだ。男のぐうたらを正当化する気はないが、平時に男が怠惰であることはその存在意義から考えると必然なのである。女はここを心底理解していない。なぜなら、現在の日本では、男が力を発揮する危機などほとんど起こらないからだ。これからも起こらないだろう。人間の創造主が人類を見限って天敵を送り込まない限り、又は天変地異を起こさない限りは。
平和な世の中が続いているがゆえに、男の存在意義が希薄になっている。また、食料確保するために戦わなくてもいい時代が何千年と続いている。そのため、男の筋力は衰え、女性となんら変わりない外観を伴う者まで現れている。脳にしたってそうだ。家族を襲ってくる敵は今の時代はほとんどいない。通り魔や強盗の類いは別として、この日本では、平穏無事に夜の道を歩くことができる。すると、お笑い番組見て脳を休ませることだけしっかり実行しているが、肝心の緊急事態がないものだから、男の脳はふやけきっている。休みが長すぎるとだらけきってしまうのと同じで、脳の活動も思うようにいかなくなる。その結果、本業の仕事にも身が入らないという事態になる。とりあえずは会社には向かうものの、やる気が出ないのだ。今のサラリーマン男性の目が曇っているのは、男という生き物の本来の性質からも説明できるのだ。