勝ったつもりでいる「負けてるやつら」(3/5) ~大企業の真実~
勝ったつもりでいる「負けてるやつら」(3/5) ~大企業の真実~

勝ったつもりでいる「負けてるやつら」(3/5) ~大企業の真実~

アニキは言う、実は「断然、中小企業の方がいい!」と。大企業に就職できずに、名も知らぬ中小企業に就職してしまった諸君には、「おめでとう」と言いたい。変化の大きいこの世の中においては小舟の方が適している。現在のビジネス環境は、いわば濃霧の岩礁地帯を船で航行しているようなもの。よく見てないとすぐに座礁してしまうし、小舟しかすり抜けられない場所も多い。今はテレビやなんかで、岩礁にぶつかって傷ついた大船企業を多く見ているはずだ。

ではその理由を見てゆこう。さて、この名も知られてないような中小企業だが、たとえもうかってない業界でも、その一部の企業は儲かっている事実がある。儲かってない業種でも、その中で必ず誰かは儲けているのだ。実際は儲かってない中小企業が多いのだが、それを邪魔しているのは業界の不景気だけじゃない。儲けに最も影響を与えているのは社長の固定観念であると言いたい。社長の我が強いのだ。儲かってないくせに我が強いとは、どういうことか!全く不思議としか言いようがない。オーナー社長なら、儲からなくなったら、早々に誰かに交代すべきだ。オーナー社長の話はここではやめておく。後日ブログで特集を組むから、そいつを読んでくれ。

社長を派遣している親会社は、子会社に社長を送り込んで儲かってなければ、あがり間近な功労者、いわゆる「ご褒美社長」ではなく、できる若手を送り込むべきだ。要するに、過去のやり方を引きずっているから儲からないのであり、新しい発想への転換を目指せる人間を送るのだ。霧の岩礁を小舟で進んでいることを忘れてはならない。で、従業員も同じだ、その意識を忘れてはならない。

結局、出向先へ立て直しに出向いた社長というのは、敵地に一人、落下傘で舞い降りたようなものだ。以前からの従業員はそんな外部のお飾り人間の言うことをきかない。日本人は変化を嫌う。外部の人間を嫌う。だから、改革ができないのであり、内部の者が会社を儲からなくさせているのだ。儲かってない会社は、社長が頑固者という理由もあるだろうが、それ以上に従業員が腐ってる。全員が死んだ魚の目であり、やる気がない。儲かってない会社でさらにやる気もないとは、自分で自分の首を絞めているようなものだ。が、中小企業はまだいい。

 問題は大企業だ。会社という船が大きすぎると、なかなか方向転換してくれない。大企業に勤めた若者達はまだ気づいてないかもしれないが、「喜んでる場合じゃない、君たちは大変な船に乗ったんだぞ」と言いたい。自分達は優秀だと思っている頭でっかちな社員ばかりだから、評論家が多くて意見が纏まらない。今の大企業は上司より部下の方が優秀だから、上司の言うことなんか聞かない。上司もプライドがあるから、議論はいつも平行線で、だたの評論になって終わりだ。だから見て見な。今の日本の大企業は、事業の切り売りだ。母体が大きすぎて方向転換できないのだ。岩礁を見つけてもいきなり方向は変えられない。そこに岩礁があるのがわかっても、避けられない。そうだ、舵を切っても方向変えるのに何年もかってしまい、岩礁にぶつかり木っ端みじん。滅びる運命だ。船を捨てて逃げるのが、一番となってしまう。大船に乗ってるなら、船を捨てるしか道はないのだ。

 結局、安定志向で大企業に入社して勝ったつもりになっても、人生では「負け」だ。大企業に憧れる時代ではないのだ。大きな船に乗れば安全かのように見えるだけだ。現在50歳以上の人はまだいい。彼らは「すべりこみ退職」が可能だからだ。彼らにとっては、すべりこみ入試ではなく、「すべりこみ退職」こそが目指すべき道だ。では40才代は、それは目指すべきではない。ま、目指しても無理だ。その前に岩礁にぶつかるから、哀れな結末がそこに待っている。そんな40代は、いつでも小舟で逃げられるように策を練るべきだ。30代以下の若者はもっと悲惨だ。彼らはまだ船底で作業をしてるから、外部の状況が全くわからない。いきなり轟音と共に入ってくる水で、逃げ場も失う。甲板まで出てこないと周囲の状況はわからないから、突然のできごとにパニックに陥ってしまう。