昨日は、「がんばって勝ち組企業に就職してもいいことなし」と書いた。じゃ、今日は負け組にスポットを当ててみよう。
例えば、儲かってない業界や勝ち組業界でも業界内順位が下位である場合、負け組企業となるわけだが、こちらは勝ち組企業ほど生き馬の目を抜くような戦々恐々とした状況ではない。儲かってないのだから、あまり優秀な人材は採用できないという台所事情があり、とりあえず社内にいる優秀な人材はほかへ行かないようにケアしている。優秀じゃない人は、人材がいないため取替えもきかず、なんとなく安全な環境だ。しかし、会社の中は儲かってないために、社内の空気が殺伐としており、部長課長の顔色も悪い。中間管理職の頭の中は間違いなく、会社が倒れる前に滑り込みで退職金をGETして退職したいと考えており、その準備に余念がない。常に皆がそんなことを考えているものだから、会社の業績をよくするアイデアなんか出てこない。10年後のことは10年先にも残る奴が考えればいいと思っている。だから仕事は、「ニワトリを囲いの中に追い込む仕事」しかしない。周りを見てみろ、そんな上司ばかりだろう。まあ、大会社であれば、子会社への出向もかなりの確立で任命される。
しかし、儲かってない会社では当然子会社も儲かってないのが常で、出向先してもいいことなしだが、とりあえず、出向先には天国と地獄とがある。天国とは、業績のよい子会社だ。で、地獄は儲かってないところだ。だから、ここで運命が分かれる。儲かっている子会社へ「お飾り役」として出向できる運のよい人と、傾きかけた会社へ「世直し人」又は「トカゲのしっぽ切り」として出向する運の悪い人がいる。まさに、人生ゲームの天国か貧乏農場かだ。だから、管理職は常に自分が行きたい場所を虎視眈々と狙ってる。断然「お飾り役」がいいに決まってるのだから。
そして、儲かってない親子会社のグループは、その取引先も大体儲かってないところが多く、周りの環境全体が重たい。これをアニキは「環境地獄固め」と呼んでいる。
そして儲かってない会社は社内が暗いし、建物も古く事務所内も薄汚れた感じだ。儲かってないがゆえに、事務所も年々僻地へと移動してゆくさだめだ。この負の循環を何とかしなければならないのだが、そこの従業員全体にあきらめムードがぷんぷん漂ってる。儲かってない会社に自分が勤めている場合、その雰囲気に染まってる場合ではない。何とかこの状況を打開して、未来に夢を見いだせるようにしなければならない。覇気のある若手はがんばろうとする。
しかしここでやってはいけないのは、管理職のやる気を期待すること。これはダメだ。やるだけムダな行為であり、結局は仕事帰りに仲間と会社や上司のことで愚痴るだけで終わる。挙げ句の果てに、上司からは「煙たい奴」というレッテルを貼られ、閑職へと追いやられてしまうことになる。
実は、会社の大きさによってその対処法は異なるが、突破口はあるのだ。が、大企業は特に問題だ。勝ち組だろうが負け組だろうが関係ない。申し訳ないが、大企業で働いている若者は、同級生や親族にはウケがいいだろうが、残念だが人生ではすでに「負け」ている。大企業とは、いわば「ゴキブリハウス」だ。おいしいにおいにつられて入ってしまうが、中は地獄だ。
自分は同期一番の出世とか言ってる奴は、課長までの話だろう。どこの会社も課長まではすんなりなれる。部署を縮小していたとしても、社内役職で課長待遇まではなれる。そこからが大変だ。「大企業ゴキブリハウス論」については、またいずれ話そう。
アニキも大企業に20年ほどいたことがあるから、がっかりする話を聞かせてやろう。要するに、学生がよだれを流して内定をほしがる大企業とはそういうところだ。