人間の仕掛け各論「人間関係」(1/12) ~生まれてきた目的~
人間の仕掛け各論「人間関係」(1/12) ~生まれてきた目的~

人間の仕掛け各論「人間関係」(1/12) ~生まれてきた目的~

 人間の仕掛けを語る上で、避けられない事がある。ここを説明しておかないと、仕掛けは成り立たない。それは、「人間関係」だ。まずは、この「人間関係のしくみ」を理解しないと、人生を有意義に過ごすことは困難であるといいたい。これがわかってない人が多すぎる。ほとんど人は、わからないまま死んでしまうことになる。死んだ時、創造主にから、「何度輪廻転生したら、人間関係のしくみがわかるのだ?」とお説教されることになる。

 人間は生まれる前に、「今世こそは人間関係のしくみを理解してこよう」と心に誓って生まれてくるのだが、生まれた瞬間にそのことは忘れてしまい、同じような人生を何回も過ごすことになる。いいかげん、みんな気づいてもいいのだが、それがなかなかできない。生まれ変わる度に世の中は複雑になり、そのことに慣れようとがんばるから、余計に人間関係のしくみがわからなくなる。そんな図式だろう。「人間関係」は何のために存在し、何のためにややこしいことになっているのかを、今世では少し理解するよう心がけるべきではないだろうか。ということで、人間の仕掛け第一弾は、「人間関係のしくみ」だ。

 まず、この世で暮らしていると、必ず人間と接触する。これは避けることができない。山奥で生まれ、オオカミにでも育てられた人間なら、一生人間と接触しなくてもいいかもしれない。しかし、そんな例外を除くと、どうしても人間との接触は避けられない。特に、親は生まれた時からそばにいる。生まれた瞬間に60億人の人間の社会があり、そこで人生がスタートする。そう、人間との接触は、創造主が元々仕組んでいるのだ。

 逆に、創造主が人間との接触を必須であると考えなければ、人間は親から生まれてくる必要はない。人は植物から生まれてもいいことになる。例えば、ジャングルの奥地の花や、砂漠の一輪の花から生まれてきてもいいことになるからだ。生まれた瞬間に周りに人間がいなくてもいいということだ。あとは、一人で木の実でも食べながら大きくなればよい。そして、死ぬまで他の人間に出会わなくてもよいことになる。しかし、現実はそうじゃない。必ず親から生まれてきて、親又は他の人間に育てられる。生まれたてで放っておかれると死んでしまう弱い生き物だ。他の生き物と違って、生まれたてでは一人で生きてゆける生き物ではないのだ。創造主は人間の元で育てられなければ死んでしまうように、人間を作ったのだ。それは明確な事実であり、そのことは理解できるはずだ。

 そして、最初に結論付けてしまうが、この人生でやることはただひとつ。「人間関係をうまく乗り切ること」、これだけだ。生まれてきた目的はこれだけだ。いろんな職業で努力して出世したり、特技を生かしてがんばってよい成績を残したとしても、それは人間関係をうまく乗り切るための飾りにすぎない。出世や金持ちや成績を残すことが生まれてきた目的ではない。そこへたどり着くための努力を通して、人間関係を築き上げることが人生の目的である。逆に言えば、人間関係を築くことにより、容易に目指すものを手に入れることができる。なかなか自分の夢が実現しないのは、次回から話す「人間関係の存在意義」がわからないために、努力の方向が間違っているからなのだ。

 哲学者が何世紀にもわたって研究してもたどり着かなかった結論である、「人はなぜ生まれてくるのか?」に対する答えをアニキは簡単にこう定義付ける。いつの時代も、「真理は単純」でなければならない。そして、この話は大事なので、12回の長編にさせてもらった。