人生テクニック「上位概念」(4/8) ~軸とぼくちん~
人生テクニック「上位概念」(4/8) ~軸とぼくちん~

人生テクニック「上位概念」(4/8) ~軸とぼくちん~

 会社は1個の生き物だ。これはアニキ哲学のベースのひとつだが、会社は集団であっても個なのである。脳が社長でカラダが従業員、企業理念が魂だ。その構成要素は人間と同じである。人はその魂に従って動く。会社も同じで、会社は理念で動く。アニキは過去何度も言ってるが、人間は脳が主体ではない。魂が主体だ。脳は魂の従者で、創造主から遣わされた監視役でもある。この話は過去ブログ「脳の謎」に詳しく書いてあるから、読んでみてくれ。ここでは、会社の魂とは企業理念だということが重要で、それが会社の最上位概念になる。

 大概の上位概念は一般的な考え方として存在している。会社員である前に人間であるとか、儲けより信頼だとか、挙げればきりがない。常識ではかれる比較概念もあるが、サラリーマン社会での懸案事項はそうではないものが多い。常識だけでは全く手に負えないのだ。自分の信念から生み出された軸がないと、対処できない問題が多い。相手側の利益と自分達の利益の均衡の調整や損して得を取るなど、極めて実践的な判断だ。サービスはどこまでやればいいのかなどの判断も、常に自分の軸が決める。

 軸はまず、経験を通してできあがる信念から、抽出された芯である。物事は信念のままだと仰々しくて使えない。もっと簡単に普段使いの形にしなければならない。要するに、信念の根底となる部分のみを抽出して、自分の行動軸とするのだ。軸とはつまり、自分の経験を通して自己哲学にまで高められた信念の基盤だ。例えば、「弱きを助け強きを挫く」という信念があったとしよう。しかし、サラリーマン社会ではこのままこの信念を使うには仰々しいのだ。それを使い易くするために、信念の根底を見ると、「困ってる人を見捨てない」という軸が見えてくる。ここを使ってゆけばよい。軸はおいそれとはできない。経験に裏打ちされた自信が必要となるからだ。どんなに優秀な若手でも、老練の先輩に太刀打ちできないのもそこにある。年数だけの差ではない。先輩にはしっかりとした行動軸があり、若手はまだ経験値が少ないから、軸ができていないからなのだ。

 といいつつも、軸は自然にできてしまものだ。これも軸の性質のひとつだが、焼き物の粘土のようなものだ。粘土も最初は柔らかいが、時間が経つと固まってしまう。それと同じで、若い頃にきちんと形を作っておかないと、変な形で固まってしまう。それが軸である。しかし、自然にできたそんな軸など、サラリーマン社会では何の役にも立たない。それは言わないでもわかるだろう。そんな軸しか持たない奴のことを、アニキは「ぼくちん」と呼ぶ。年齢ではない、仕事が半人前だということでもない。いい年齢で仕事がそこそこできたとしても、生き様がぼくちんなのだ。要は、軸がない奴ことだ。