マンガ「キャンパスクロッキー」を紹介しよう
マンガ「キャンパスクロッキー」を紹介しよう

マンガ「キャンパスクロッキー」を紹介しよう

このマンガは知る人ぞ知る名作だ。1983年頃にヤンジャンに連載されていたマンガだ。けっこう長く連載されていたのを記憶してる。賛否両論の激しいマンガであるが、当時アニキは大好きなマンガだった。その頃アニキは大学浪人中で、受験勉強の合間に心安まるマンガを探して読んでいた。そんな時見つけたのが、この「キャンクロ」だ。当時は、「めぞん一刻」と併読していたが、内容とそのできはエラく違っていた。

知らない人の為に少し内容を紹介したい。舞台は大学のキャンパス生活を描写したものだが、キャンパスクロッキーから連想されるさわやかさは皆無だ。主人公の寮生活がメインではあるが、白石定男というその主人公が、本当にだらしない性格で、嘘つき・やる気なし・流されやすい・金は当然ないと、いいところが一つもない。金はないくせに、親の仕送りに頼りバイトはしないし、しても続かない。当然、授業はサボる。今のアニキが最も嫌う無気力型若者の典型であったが、実はアニキも当時は似たようなだらしない人間であったから、すごく白石定男に共感を持って読んでいた。そんな白石にも天野めぐみという美人で性格もよい彼女がいた。これは想定外の演出で、この部分において白石はアニキより数段優れていた。若い男にとって美人の彼女とは、神から与えられた最高の贈り物である。そんな天野めぐみを読者は皆大好きであり、天野を見たくて読んでいたという人も多かったと聞く。そうなのだ、アニキも天野めぐみのファンであり、彼女にするなら天野めぐみのような女性だと憧れていた。しかし、そんな美人の彼女に目もくれず、他の女を追っかけ回す白石の姿に、アニキはいつも憤慨していた。

がしかしこのマンガの最も良くない部分、小陳恋次郎という変人が寮生活を荒らしにくるシーンだ。読んでみるとわかるのだが、こいつが出てくる場面は全くつまらない。小陳が出てくるとがっかりする。実はアニキは単行本全巻持ってるのだが、小陳が出てくる巻を定価で売るとは何事かと言いたい程、その金額の価値は全くないと断言する。特に、これから読もうとしている諸君は、小陳の出てくるシーンは読み飛ばしても全くストーリー展開に支障はない。多分、当時ネタに困って〆切に追われた時、小陳を出して逃げ切ったのではないだろうか。大学の寮生活なんて、元々ネタが少ないテーマだから。

そんな感じだから、アニキは大学入学と共に読まなくなってしまったが、天野めぐみとその後どうなるのかということのみが気になり、単行本は買い続けた。
じゃ、このマンガのどこがいいのか。アニキが気に入ってたところは、やはり天野めぐみとの恋愛が進んでいくところだろう。白石がどんなに失敗しても、その影に天野めぐみがいるのだ。なんて幸せな奴だと、思いながらも心が温まった。それと、白石やその寮仲間がたまに繰り広げる人情ドラマもよい。そこは読む価値があるであろう。アニキはその当時、ただホッとしたかったので、ハッピーな温かいストーリーを好んだ。

そんなキャンクロだが、これを今の学生が評価できるかどうかは疑問である。アニキはホンモノしか紹介してゆかないというのが信条だが、正直これはホンモノとはいいにくい。ではなぜアニキがホンモノじゃないものを紹介するのか。それは、「まがい物も知らなければホンモノの価値も理解できない」ということ。しかしまあ、このマンガをまがい物と言い放つのは気が引ける。なんせ、アニキの人生の一時期はこのマンガに心を奪われていたのは事実だから、まがい物というよりは、色物としてホンモノと区別しよう。
色物については「まがい物と色物」タイトルで別の機会で説明するが、アニキのホンモノ志向の追求にあって、色物とはホンモノを際立たせる亜流の存在である。そういう意味では、キャンクロは色物と定義したい。

とりあえず、今回紹介するものはマンガなので、人生に害は与えないので安心してくれ。しかし、下品さはあくまで青年向けであり、ガキデカのような少年向けの下品さではないから、少年には害があるかもしれない。親は注意して与えるべきである。

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