サラリーマンの謎「給料」(1/7) ~給料が低い~
サラリーマンの謎「給料」(1/7) ~給料が低い~

サラリーマンの謎「給料」(1/7) ~給料が低い~

 「給料が低い。」会社で働くと、必ずこの言葉を聞く。高い給料の会社でもこの言葉を聞く。どんなに給料をもらおうが、人間は満足しない。この感情は人間の原始機能かもしれない。新たに加えてもいい。
 当たり前だが、サラリーマンの世界では給料が高い人と低い人がいる。年収が3千万円の人と3百万円の人がいて、一緒に同じ会社で働く現実もある。3百万円の人が給料に不満をこぼすのはわかるのだが、3千万円の人も給料に不満があったりする。その際限のない給料への欲望や給料の多い少ないという現実をどう考えるのか?今回は、サラリーマンの大きな謎である「給料」にスポット当てたい。
 まずは、給料の多寡について触れてみたい。「給料の多寡」、この差は何を意味するのであろうか。給料の高さは、単に「仕事ができるかできないかの差」であるのだろうか。日本の企業における給料のタイプがだいたい3タイプに当てはまる。1つは、大企業型給料で、年功序列を軸とした給料テーブルがあるタイプ。2つめは外資系や営業強化型企業で、成功報酬型歩合制タイプ。そして、3つめはオーナー社長の中小企業によくある、給料テーブルなし、完全オーナー気分管理タイプだ。日本のサラリーマンの給料は、ほぼこの3タイプにあてはまる。アニキは3つとも経験している。では、「給料」というテーマから少しはずれるが、給料は会社のタイプとも密接な関係があるから、これらの基本をまず説明しておかねばならない。
 タイプ1の大企業型だが、このタイプは完全に自分の給料は時給と同じだ。1時間いくらで雇われているのだ。役職や勤続年数によりその単価が異なるだけだ。だからまず、時給で雇われていると気づくべきだ。その面から言えば、アルバイトとなんら変わらない。どんなに困難な仕事でも、時給だから関係ない。プレッシャーが高くてもこなさなければならない。管理職なんかは残業代も出ないから、理不尽きわまりないが、まあ、ひまな時もあるから、バランスは取れてはいる。本来は役職により、責任というプレッシャーが重くのしかかってくるが、それを少しの役職給の上乗せで済まされている。これは会社側の罠なのだ。実は労働対価のほとんどは会社に搾取されている。まあ、責任自体も一身で背負う事も少ない。上には分厚い管理者層や役員軍団が殿上人にように君臨しているから、そこへ早く丸投げすればよい。だから、「自分のせいではないですよ」という証明さえ付ければ、責任とって減俸や異動などはない。がんばって身の潔白を証明することが仕事の要となる。保身がその仕事の中心となるが、それさえできれば、そこそこの給料で「人生双六」を上がることが可能だ。給料には多少の不満はあるかもしれないが、福利厚生などが充実しており、贅沢はできないが一生食いっぱぐれはない。ここがタイプ1企業の居心地の良さでもある。しかし会社側にとっては不良社員も飼っておくことになるため、最近はここにメスを入れてくる企業が増えてきている。
 今後の日本ではこのタイプ1企業は成り立たなくなってくる。なぜなら、欧米ではすでにこのタイプの企業は破綻しているからだ。