サラリーマンの武器「素直さ」(2/5) ~まずは聞け!~
サラリーマンの武器「素直さ」(2/5) ~まずは聞け!~

サラリーマンの武器「素直さ」(2/5) ~まずは聞け!~

 どういうことかというと、まずは相手の話を聞けということだ。相手にも自分の経験からの考えがあり、自分の意見を述べるのは、それを聞いてからでも遅くないはずだ。まずは一旦自分の意見を飲み込み、相手の話を聞く。まあ、こんなことは巷でよく言われることだから、皆わかってて耳にタコができる話だな。相手がある程度知識を備えた論客である場合はそういうことだ。次に相手が素人の場合だ。すぐに論破してしまいそうになるが、これをじっと堪えてみる。素人ならではの意見を聞いてみることはとても重要だ。素人ならではの視点から、何か参考となる話があるかもしれないのだ。決して論破してはいけない。素人はその後二度と意見を言わなくなる。そんなトラウマを植え付けていけない。
 そしてここが重要なところだが、自分の意見を押しつけてゆくということは、「己の思い込みを押しつける」ということに気づかなければならない。思い込みで相手に意見を押しつけた時、過去の経験に裏付けられた論理があるから、大概は大きな問題は起こらない。だからこそ、ここに問題があるのだ。周りを見てみるといい。自分の意見を押しつける人、すぐに論破することを日常としている理屈屋、または自分の手を汚さない評論家などたくさんいるだろう。彼らは小さな小手先の結果は出しているかもしれないが、大きな結果は出していないはず。しかも、周りに嫌われているというおまけまでついている。つまり、彼らは参考となる成功者像でない。ただ、過去の経験からの言葉には多くのノウハウが隠されており、本を読むがごとく自分の知識として吸収すればよいのだ。そう、まずは相手の意見を聞き、自分の知識とする。このことを念頭に置く。
 つまり「素直さ」の第一ポイントとは、自分の意見はまず横に置き、人の話を聞いてみるということにより、思い込みという落とし穴にはまることを防ぐことが重要だ。これは、「素直さ」を武器としての機能させるための手段だ。相手の意見を真剣に聞くという態度をとり、人間の大きさをアピールする作戦だ。「懐が深い」「器がでかい」と思わせる素養を作るのだ。
 そうだ、まず管理職は部下の意見を聞く。部下の言葉に呼応して、「バカかおまえ!」は禁句だ。それをグッと飲み込み、「その根拠を教えてくれ」「なぜ君はそう思う?」とたたみかけて、根掘り葉掘り聞けばよい。これは同時に部下をも自然に育てる強力な威力も兼ね備える。詳しくは、いずれアニキ哲学「人生なぜなぜ」で話すつもりだが、ここでもそういったテクニックが生きてくる。