じゃあ、笑顔ができたとしよう。そして次にやることはただひとつ、自分の売り込みだ。で、売り込むものは、それぞれの能力ではない。そんなものはあとでよい。その人が気に入れば、自然と自分の能力を頼ってくれるものだ。それよりもまず、営業とは人とのつながりを作るのが仕事である。どんな仕事でも、人のつながりを築くのが目的となる。これを実践しているならば、客が減るなんてことはない。いきなり能力を売ろうとしているから、お客はできず仕事が減るのだ。過去ブログ「アニキの強者論」でも話したが、儲からない士業(さむらいぎょう)の職人はここに勘違いがある。
人とのつながりをつくるのが仕事なのに、高飛車な態度で臨んでも、だれも相手にしないだろう。本当に困った時にしか頼まないし、そんな不遜な奴をだれかに紹介しようとも思わない。仕事は信頼関係とよくいうが、人とのつながりを作るというのは、まさに信頼関係を築くということだ。
そう、だからだれもが自分は営業マンであることを認識することから始まるのだ。そうすると、笑顔がいかに重要で、人との絆を築くことがいかに重要かということも理解できるはずだ。この前提がなかなか理解できる人は少ない。でもこれはできなくてもいい。なぜなら、意識してもすぐにできるような話じゃないから、まずはこのことが重要だということを頭に置いておけばよい。まあ、できたとして営業力の各論に入るとしよう。ここからが営業力のテクニック論である。
アニキの強者論でも少し触れたが、「技術力×営業力=金を稼ぐ力」という公式がある。いいか、足し算じゃない、かけ算だ。この意味はわかるか?要するに、営業力がゼロなら、金は稼げないということを意味するのだ。技術力とは、まさに自分の持ってる技術で、学生時代や社会人になってから必死に努力して会得した力だ。言ってみれば、目に見える技術で、資格や経験から得た知識などがそれに当たる。それは職業によって異なる。基本的にはこの技術力が売り物となるわけだが、それだけでは金を稼ぐ力にはならない。ここに営業力という何とも抽象的な概念が加わることになる。目に見えない力であり、一般的に測る基準はないから、なんだかよくわからないのだが、確実に仕事で結果を残す力だ。この営業力とは一体何であろうか?
実は、本当の仕事とは「信者からしか来ない」ものだ。後日ブログアニキの「信者論」で詳しく説明する。語弊があるといけないから、ここでの信者の意味を説明しておこう。ここで信者とは、宗教での信者ではなく、自分のことを本当に信頼してくれる者のことを指して「信者」と呼んでいる。教祖とかそんな話ではない。信者と言う言葉が生理的に受け付けないなら、「ファン」と言い直してもいい。相手を自分の信者(ファン)にしてしまえば、すべてが思い通りに動く。うわべだけの仕事をしているから、競合相手や同業者におびえながら仕事をしなきゃならない。仕事を取ったり取られたりで一喜一憂しなければならない。技能の売り先が社内であるなら、上司又は受け手部署を信者にしてしまえばよい。つまり、相手を自分の信者に仕立てあげることこそが、その営業としての仕事であり、それができる能力が営業力なのだ。