サラリーマンの武器「スピード」において、付け加えておきたいことがある。速さには「早さ」という概念もあることだ。実はこれも武器になる。
例えば早起き。昔から早起きは三文の得と言われてきた。確かにサラリーマンにとって早起きは、必然だ。出世する人は間違いなく早起きだ。特に大企業の社長クラスで朝遅いなんて聞いたことがない。早起きは確実に出世する人の特徴である。しかし、早起きすれば、全員出世するのかと言われれば、そうではない。早起きでも出世してない人は山ほどいる。早起き自体は出世の条件ではない。その理由は次にあげる。まず、出世している人は、「無理して早起きしているのではない!」ということだ。自然と早起きが身についている点が、早起きして出世している人と出世しない人の差だ。目覚まし時計なんか使わない。目覚まし時計を使って起きている人は、その習慣を改めなければエグゼクティブにはなれないと言っておこう。若い時は夜遅いからなかなか早起きできないのはしかたないが、40歳を過ぎてもまだ朝寝しているような人をどう思うかね?人生を捨てているとしか考えられない。
次は時間の使い方だ。せっかく早起きしたのに、ダラダラと過ごしているようでは失格だ。前回までの「スピード短縮」を思い出してくれ。自分で作った時間を有意義に使うことが重要だ。新聞読んでもよい、早朝出勤してもよい。自分で好きなように使えばよい。つまりだ、早起きは、生活の時間の中でも簡単にまとまった時間を作ることができる。サラリーマンの武器であるスピードは、時間を作ることが目的のひとつだが、早起きはそんな苦労しなくても時間を作ることができる魔法なのだ。
そうなると、早起きすべきことが必要だとわかるのだが、そのためには「早寝」しなければならない。夜型人間にとって夜更かしは最高のストレス解消だ。睡眠時間を削ってでも、夜中までいろいろとやりたがる。確かにサラリーマンにとっては、夜しかまとまった時間はない。昼間のストレスという垢を落とすことは重要だが、趣味の世界でストレス発散できると思ったら大間違いだ。溜まったストレスを落とすのではなく、ストレスを攻撃に変えることが重要だ。この話は長くなるので、また後日ブログ「ストレスは栄養」で話そう。早寝して早起きをする。そして歩く時は早歩きだ。当たり前のことだが、夜型を朝型に変えてゆく作業が必要だ。ほとんどの動物は昼型だ。人間も昼型の生物だ。
人間は昼に行動して夜は寝ることになっている。これは人間の「原始機能」だ。太古の昔からその習慣は変わってない。だから、夜に寝ないといろんな病気を引き起こす。メラトニン欠乏って聞いたことあるか。夜型人間の典型的症状だ。メラトニン欠乏により、癌を引き起こしたりする。これはすでに常識となっているのだが、あまり意識されてない。これからは色々と解明されてくるだろうが、世の中自体が変わらないとそんな弊害もなかなか意識されないであろう。今の世の中が便利を追求した結果、24時間体制なんてひどいことになってるのだが、元々人間は夜型ではないのだから、無理がある。
アニキは何が言いたいのかというと、「『早さ』も『速さ』で武器である」ということだ。人間の原始機能に注目すれば、自ずと何が大切かが見えてくる。「スピード」が武器であるということの真の意味を理解してほしい。スピード自体も武器となりうるのだが、アニキの意図としてはそれだけではない。スピードを追求することによって生み出される時間の余裕だ。そしてその生み出された時間を有意義に使うことが、スピードという武器の本質である。そこを人生に生かせばよい。