オーナー社長と雇われ社長との違いを話そう。だれでも知っていると思うが、アニキ哲学における違いもあるから聞いてくれ。雇われ社長とは、いわゆるサラリーマン社長のことだ。オーナーから社長を任命されて、会社を指揮することが使命だ。王様と首相のようなもんだ。国は王様のものだが、王様には政治がよくわからないから、有能な政治家に任せる。それの会社版だ。大手企業のほとんどはこのタイプで、サラリーマン社長として会社から給料をもらっている。
そして、オーナー社長はオーナーだ。会社の持ち主で、自分で金払ったり、銀行から借りたりして会社を興した者だ。そのほとんどがはみ出し者だ。はみ出し者が会社の頂点に立っているのだから、当然人間も出来てない。だから、大概威張った奴が多い。それがオーナーだ。オーナーというだけでスゴそうだと、呑まれてはいけない。
まずオーナーにはいろんなパターンがあるのだが、サラリーマンができないから独立した者がほとんどだ。会社を飛び出すようなこのタイプは、仕事はできるのだが、バカな上司にはついて行けないというタイプだ。頭の回転が速く、機転も利く。型破りな発想とバイタリティが旺盛で、上司の能力を上回る。まるで暴れ馬のようだから、生半可な上司では手綱さばきに苦戦させられる。ここで上司を立てられるような人は、そのままサラリーマンで出世してゆく。立てられない人は、能力のない上司をバカにし、そんなバカ上司を飼っている会社をバカにする。挙げ句の果てに、そこで働く自分をバカにするようになり、最終的には会社を飛び出すという形だ。頭が切れるだけに、相手の能力がわかってしまう。だから、上司や会社にアイデアを潰されるより、自分でやった方がましだという考えになる。商売に対する信念もあり、筋も通っているのだが、元々、クラッシャー上司タイプのため、独立してオーナーになっても人使いが荒く、なかなか従業員が定着しない。独善的で自分がすべて正しいと思っていることと、自分が一番優秀だと思っている。だから、自分で会社を興したあとも、何でも自分一人で決める。基本的に人の意見を聞かない性格で、人に意見されるとカチンとくるからだ。自分を神だとでも言いたげな雰囲気を醸しだし、すり寄って崇めてくれる部下が大好きなのだ。
しかも、独立事業がうまく軌道に乗ってお金が自由になってくると、成金的な遊び方をするようになる。本当に金持ちはそんなことをしないのだが、派手な衣服を身に纏い、高級車を乗り回し、高級志向を目指す。その姿は、成金そのものだ。で、必ず女を囲うのだ。わからないでもないが、例外なく成金は女を囲うよな。
お金を持ったらやってみたいと思っていたのだろうが、それで自滅する人も多い。ホント、男はダメな生き物だと思う。